卒業生 横関裕子さん

(拙著『翻訳家になろう!』青弓社より抜粋)

[鼎談 横関裕子+岡田壮平+柴田耕太郎]

なるようにしかなりません

横関:ご無沙汰してます。
柴田:岡田さんとは去年セミナーでご一緒したけど、横関さんと会うのは10年ぶりか。中野さん(第1章に登場)の快気祝い以来?
横関:いえ、そのあとアイディに遊びにいったとき少しお話しましたよ。
柴田:そうか。思い出した。「映像で食べている」って聞いて、嬉しかったというか驚いたというか…。 (略)
柴田:ところで、横関さんの訳のどんなところが評価できたんですか。
岡田:一例を挙げると、子供の台詞。ふつうなら無難に「ぼく」としますよね。それを「オレ」って訳したこと。字幕には思い切りが大切ですが、それができていると思ったんです。
柴田:横関さん、どこでそうした思い切りのよさをつかんだの?
横関:あのころアイディでCS放送のシアターテレビジョンの立ち上げ番組を担当させていただいて。柴田さんの講習もありました。何人かの分担で下訳をやったり、ベテランの方々の原稿をリライトしたり。とにかく、いろんなチャンスをいただきましたね。私の場合は順序が逆なんです。そういう環境に飛び込んだからこそ、映画やドラマのおもしろさにも気がついた。
柴田:なるほど。何事も、漫然とやるのと自分の身に引きかえてやるのでは、大違い。チャンスを呼び込むって、そういうことかもね。で、その後は仕事に恵まれているの。
横関:おかげさまで。DVDやCS、BSの深夜枠など、民放の深夜とか小さな仕事をもらっています。今、お付き合いのある制作会社は3つ、こっちからこなければあっちからくる、という具合で、なんとか途切れず続いています。 年収は均して××といったところでしょうか。決して多くはありませんが、暮らしてゆけます。なるようにしかなりませんものね。字幕だけ、とこだわったわけではないですが、この生活に今のところはまあ満足しています。地味な毎日でも、映画の中ではいろいろな人生を生きられますからね。
柴田:その言やよし。では横関さんの今後のますますの活躍を祈って、乾杯。
柴田、岡田、横関:乾杯!

卒業生の実績
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