2010年1月号(第7回)『it 〜 thatの意味』

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2010年1月号(第7回) 『it 〜 thatの意味』
 気合が乗らず、無断で休載し、失礼しました。
 
 まず次の四つの文を見比べていただきたい。(
からの文例は『英文法詳解』からとったものです)
It is true that he is ill.
It was he that asked me for help.
It may be that they are in the right.
It happened that she was out.
It is the woman who cleans the house.

「彼が病気なのは本当です」。it は仮主語、that 以下が真主語。
「彼こそが私に助けを求めたのだ」。itwasthat を消して文が成立するから強調構文(強調されるのは that の前の he )。
「彼らが正しいのかもしれない」(直訳:「状況は、彼らが正しいという点で存在しうる」)。it は状況、that 以下は本文 It may be (SV:「状況は存在しうる」—自動詞の be は「存在する」という重い意味になる)に掛かる修飾語。that の前に for it、場合により of it (この it that 以下を指す)を補い、「…という点で」「…という上で」「…に関し」と訳すとわかりやすい。
「たまたま彼女は留守だった」。it that 以下なのか、it は状況を指すのかはあいまい。
強調構文で「家を掃除するのは、その女だ」か、it が前出のものを指し「それは、家を掃除する女だ」なのかは、前後の流れによる。

 ということで、この種の文には it that 以下を指す場合、強調構文、状況の it、具体的なものを指す it、の四つの可能性があり、文脈から読み違えないようにしなければならない。
次の例で、考えていただこう。

What is it in English mind and character, or in the English way of life, that has proved so favourable to poetry?
It is enough for any man that he has the divine power of making friends, and he must leave it to that power to determine who his friends shall be.
[解説]
isitthat を省いて文が成立するので、強調構文。分りにくければ what something に置き換えて平叙文にしてみる。
It is something (in English mind and character, or in the way of life,) that has proved so favourable to poetry.Something has proved so favourable to poetry.
that の前のカンマは、長い先行詞部分の終了を示す印。
イギリス人の精神と気質、またイギリス人の生き方の何が、これほど詩に合っているといえるのだろうか
it は状況を示す。「状況は誰にとっても that 以下の点で、十分である」が文の骨子。itthat ととり「天与の力を持っていることは、誰にとっても十分である」とすると、「何が」十分なのかあいまいでおかしいのがわかるだろう。 enough は「過不足がない」という意味。 leave it it は仮目的語で to determine 以下が真目的語。
誰でも、友人をつくるという天与の力を持っているというだけで十分であり、だれが友人になるかはその力に任せておけばよい


 

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