英語の感覚を磨く英文法 ―betweenとamongの用法 執筆者:大手予備校講師

 betweenとamongはどちらも「~の間に(で)」のように訳されることが多いため、混同されやすい前置詞です。これらの前置詞の違いは何でしょうか。「2つのものにはbetweenで3つ以上の場合はamong」なんて安易な覚え方は決してしないでください。         
 betweenの用法はbetween A and Bが一般的ですが、between A(複数○名) やbetween A, B, and C、さらに正しい用法とは言えませんが、between A or Bやbetween A to Bというようにおそらくeither A or Bやfrom A to Bと混同して用いられる場合も稀にあります。以下にジーニアス英和大辞典に載っている用例を挙げます。

(1a) the love between mother and child 「母と子の(間の)愛情」
(1b) The three boys have $8 between them. 「3人の少年は合わせて8ドル持っている」
(1c) Between cooking, washing, and cleaning, her mother was very busy. 「料理やら洗濯やら掃除で彼女の母は大変忙しかった」
(1d) *?be given a choice between surrender or death 「降伏か死かの選択を迫られる」
(1e) ?between 1980 to 1990 「1980年と1990年の間」

*文法的に正しい用法としての容認性が低いものには?をつけています

(1d)と(1e)は誤用として扱うのが一般的なようなので受験英語では教えません。ただ、実際に使われている英文は見たことあるので、このような用法を翻訳する場合はbetween A and Bやfrom A to Bに置き換えて訳せばよいかと思います。
 次にE-gate英和辞典に載っているamongの用例をいくつか見てみましょう。

(2a) a castle among the trees 「木に囲まれた城」
(2b) He was a politician among politicians. 「彼は政治家中の政治家だ」
(2c) The five kids have $50 among them. 「5人の子供たちは合わせて50ドル持っている」

(1b)と(2c)のように結果として同じように使える場合もありますが、田中(2011)によるとbetweenは「個別の関係」に重きがおかれ、amongは「複数のものに囲まれている、その集合の中から」という意味合いが強いそうです。betweenはもともとby twoが語源ですから2つのものの間に使われるのは理解できますが、3つ以上の物にも使われる時は一つ一つ(一人一人)に焦点が当たると考えておきましょう。amongは3つ以上の物に囲まれている、またはその複数の物(人)の中から、というイメージで捉え「~の間で(に)、~の中(の一つ)で」といった意味が出てくると考えておいてください。個々に焦点を当てるのか、それとも集合として捉えるのか、微妙な違いではありますが覚えておいて損はないと思います。

参考文献
大西泰斗・ポール・マクベイ (1996) 『ネイティブスピーカーの前置詞』 研究社, 東京
田中茂範 (2011) 『ネイティブ感覚の英語力アップ 英語のパワー基本語』コスモピア, 東京.
田中茂範 (2008) 『新感覚わかる使える英文法』ベネッセコーポレーション, 東京.
田中茂範・武田修一・川出才紀 編 (2003)『E-Gate英和辞典 [携帯版]』ベネッセコーポレーション, 東京.

 

柴田耕太郎「英文教室」HPはこちら