『英文解釈教室』を読み終えて 「受講生編」 執筆者:国際機関広報担当

国際機関で日々英語を使いながら業務をしている。英米文学科卒業。留学経験あり。単身海外出張や英語でのプレゼンテーションなどもなんとか任務をこなしてきた。

しかし、英語を使う機会が増えれば増えるほど、より「正確な読解力(理解力)」の大切さを感じるようになった。「だいたいわかった」では仕事は、特に翻訳業務はできない。そんなことを考えていた2年前、「英文を一点の曇りなく読み解く」という翻訳家・柴田耕太郎先生のことを知り、「英文教室」で英日翻訳の指導を受けるようになった。

今年2月には、英語読解力をあげる上で大切な礎となる「英文法」に焦点を当てた英文教室主催の合宿に参加した。柴田先生が教材として推奨された『英文解釈教室〔改訂版〕』(研究社、314頁)の著者は偶然にも、私が高校時代にバイブルのように持ち歩き、勉強していた『新・英文法頻出問題演習』(駿台文庫、320頁)の著者・伊藤和夫先生だった。『英文解釈教室〔改訂版〕』はこの合宿のために初めて手にとったが、英語を長年勉強してきた身としても学ぶことがぎっしりつまった教材だった。

テキストは全15章構成。「目的補語」「同格構文」など誤解釈が起きる可能性がある複雑な文法、構文を伊藤先生が選定し、解説している。例えば、「倒置」をテーマにした第5章では、5.4例題(3)に以下のような構文がでてくる。

In my life anxiety, trouble, and sorrow have been allocated to me at time in such abundant measure that had my nerves not been so strong, I must have broken down under the weight.
この場合、that は1)関係代名詞 2)接続詞 の両方の解釈ができる。このような構文では、that は関係代名詞としてでてくる頻度が高いように感じるが、ここでは「that(=S)と考えるのではhad my nerves not been の部分が説明できないし、so strongのあとはI must have broken down under the weightという独立文に等しいものが続くことから、that は接続詞で、had my nerves not… = if my nerves had not been」(もし神経がこれほど強くなかったら…)という解釈になると解説されている。

このように、『英文解釈教室〔改訂版〕』には理解しているようで思わず読みとばしてしまいそうになる例文が丁寧に
示されている。読み進めるにつれ、「どのような文法や構文で誤解釈が起きやすいのか」という点も自分の中で整理されてくる。

『英文解釈教室〔改訂版〕』に記載された伊藤先生の説明、解釈に加え、2月の合宿では柴田先生独自の解説、補足説明、類似事例なども聞くことができた。合宿最終日には柴田先生オリジナルの「『英文解釈教室〔改訂版〕』解説集」も配布された。

「1粒で2度おいしい」ではないが、『英文解釈教室〔改訂版〕』は伊藤先生、柴田先生のお二方から教わっても、まだまだ読み深められる私にとって「1冊で2度(以上)おいしい(学べる)」教材だ。

柴田耕太郎「英文教室」HPはこちら