前置詞 underとbelow 執筆者:大手予備校講師

今回は主にunderとbelowの違いを紹介します。最も顕著に違いを把握できる例は以下の様なものでしょう。

(1a) A major is under a colonel. (少佐は大佐の支配下にある)
(1b) A major is below a colonel. (少佐は大佐より地位が低い)

underのコアは「何かの下に」であり、以下のようなイメージで捉えることが出来ます。
001
(田中、2011:50)

それに対してbelowは「ある基準よりも低く位置する」と言うコアミーニングを持っています。田中(2011:74)は以下のような図で示しています。
002

underは「何かの下」と言うコアから色々な意味に派生して、「~の真下」や「~の裏側」、「~の内側」、「~に隠れて」といった意味を表せます。例えばPut your hand under the deskと言われたら、机の裏に手を接触させてもいいし、手を接触させずとも机の下に位置させれば良いことになります。また、皮膚の内側にする注射(皮下注射)はan injection under the skinと言えます。さらに、良くサッカーの試合などで耳にするU-18といった表現も、18歳よりも下のカテゴリーなのでunder 18の事だと分かるはずです。ここで問題となるのが「18歳以下」なのか「18歳未満」なのかですが、皆さんはどちらだと考えますか?正解は、18歳の真下であって18歳には達していないので「18歳未満」が正しい訳になります。しかし、実際はルール上サッカーのU-18チームには18歳になった選手も参加可能なので、結果的に「18歳以下」と訳している場合が多いようです。(1a)のunderは「~の支配下に置かれて」と言う意味になっていますが、これはShe burrowed under the blanket「彼女は毛布の下にも繰り込んだ」という意味からイメージできるように、「~の下」に居るということは当然上にある物の圧力を感じているわけですから、大佐の圧力を感じる、つまり大佐に支配されているとも解釈できます。
一方、belowは基準値の存在が感じられるのがunderとの大きな違いになります。

(2a) The crop was below average this year. 収穫高は今年は平均を下回った
(2b) The boxer hit his opponent below the belt. そのボクサーは相手のベルトの下を打った
(2c) The results were below expectations. 結果は予想に満たなかった

(2a)では平均という基準値が存在します。(2b)はベルトの位置が基準になっていて、その下をhitしたことになります。(2c)は予想していた基準値には満たなかったと考えられます。このことから(1b)のA major is below a colonelは大佐という価値基準の下に少佐がいるとなるので、「地位が低い」という発想が出てきます。
さて、最後におまけとして、beneathとunderneathの話もしておきます。beneathはunderやbelowの意味を含みますが、より文語的で一般的にはunder・belowを用います。しかし、「~より劣っている」、「~に値しない」といった軽蔑的な意味ではbeneathも良く使われます。

(3a) He married beneath him. 彼は自分より身分の低い人と結婚した
(3b) This is beneath notice. これは注目に値しない

underneathはunderやbeneath、belowの意味も含んでいますが、特にunderが持つ「隠れて・覆われて」の意味が強調される状況で用います。

(4a) There were cockroaches underneath the floor. 床の下にゴキブリが潜んでいた

さらに、「(外見や口実などの)裏に」と言う意味でも良く用いられます。

(4b) Underneath all that macho stuff, he is really a sensitive guy.
男っぽい性格を装ってはいるが、彼は本当は繊細な男だ

「~の下」と解釈できるunderとbelowですが、微妙な意味の違いが存在しているので、今後文中で見かけた時は上で紹介したイメージを持って意味を想像してみてください。

参考文献
大西泰斗・ポール・マクベイ (1996) 『ネイティブスピーカーの前置詞』 研究社, 東京
田中茂範 (2011) 『ネイティブ感覚の英語力アップ 英語のパワー基本語』コスモピア, 東京.
田中茂範 (2008) 『新感覚わかる使える英文法』ベネッセコーポレーション, 東京.
田中茂範・武田修一・川出才紀 編 (2003)『E-Gate英和辞典 [携帯版]』ベネッセコーポレーション, 東京.

 

柴田耕太郎「英文教室」HPはこちら