冠詞について、あるネイティブの講義② 固有名詞・普通名詞の定義等の冠詞選択への影響 執筆者:仏DALF資格者

前回の固有名詞に続き、今回は普通名詞と冠詞の関係について考えてみようと思います。名詞はこの2つに大別される訳で、前回の疑問点も今回もう片方を考察する事で払拭しようとするものです。具体的には同じような固有名詞の中でも定冠詞の有無の違う、次のような点です。
・国名でもtheが付くものとつかないものがある
・1つには定冠詞はつかないのに、複数になるとつく(島名と諸島名等)

ではまず普通名詞とは何なのか?「普通」という極めて曖昧な語ではぼやけていますが、英語ではこれを”common noun”と呼ぶ所から、いろんなピースが合致したように思います。commonは普通であり一般であり、共通です。
講師は普通名詞について、generalizeし、group things togetherするものだという説明をしました。つまりcommon nounは、同じ共通点をもった物事をまとめたグループであると理解できます。これは考えれば日本語でも同じことで、「少女」という普通名詞は、唯一無二である個々を人間で女性で幼い等といった共通点によりグループ化したもので、「少女」というグループ名をつけて同じ「人間」グループにある「少年」グループ等と区別しています。加えて前回の参照資料には以下のような説明があります。

-“A” and “An” signal that the noun modified is indefinite, referring to any member of a group
-“The” is used to refer to a specific or particular member of a group

つまり普通名詞だけでなく不定冠詞と定冠詞についても、一般化したグループとその構成メンバーという認識に基づいているということになります。そうなると英語の普通名詞表現は「グループと個」と「特定と不特定」の2つ概念の組み合わせによると仮定でき、不定冠詞で不特定を、定冠詞で特定を表します。
ではその定冠詞の定義「特定・特有・唯一」の最たる人名等の大文字の固有名詞にはなぜ冠詞がつかないのか?というのは以前からの疑問でしたが、これも「グループと個」の概念から説明ができます。グループ云々の他の存在がある前提での特定はいわば相対的ですが、人名等は他の存在など関係なく絶対的に特有なため、定冠詞のスポットライトもいらないということなのでしょう。(それならなぜ太陽や月にはつくのかと思って調べると、sunは元々恒星、moonは元々衛星という意味がある普通名詞でした!)

これで冒頭の疑問点にも説明がつきます。the People’s Republic of China等の一部の国名に定冠詞が必要なのは、被修飾語が固有名詞Chinaでなく普通名詞Republicであり、背景にその他のRepublicの存在が認識されるからでしょう。またなぜ島名は冠詞なしで諸島名には冠詞がいるのかは、1つの島はそれが指す範囲が物理的に絶対であるのに対し、諸島はどこまでをその対象にするのかに人の判断が加わっていて絶対的ではないと説明できます。

以上はあくまで個人的な概論ではあるのですが、どこか語呂合わせ的に冠詞の利用法を記憶するのに役立っていたりします。こんな風に面倒な記憶事項もネチネチと法則性をさがすことでおもしろがれないかと思っている今日この頃です。ご静読ありがとうございます。

 

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