言葉を大事に 執筆者:流浪の会計士

 このブログを書くためにDARKEST HOUR(邦題「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」)のDVDを見ています。今年3月に封切られてから、映画館とDVDで何回見たでしょうか。一つの映画を何度も繰り返して見るのは初めてです。
 この映画は、チャーチルが第二次世界大戦初期の1940年5月に首相に就任してから、ダンケルク撤退作戦までの約1ヶ月間を描いた作品です。ヒトラー率いるナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、イギリスにも侵略の脅威が迫りつつある状況下で、チャーチルは首相に就任します。「決して屈しない」と徹底抗戦を誓うものの、ナチス・ドイツの勢いは増すばかり。ヒトラーに屈するのか、それとも戦うのか。日々悩み、葛藤するチャーチルですが、やがて歴史的決断を下します。
 私が印象に残っているのは、チャーチルがイギリス国民を勇気づけるために、議会やラジオで行った演説のシーンです。チャーチル自身が考え抜いた力強い言葉で議員や国民に語りかけます。困難に立ち向かうときのリーダーのあるべき姿を見た思いがしました。また、言論で国民を導く政治家は、言葉を大事にしなくてはならないとも思いました。
 「言葉を大事に」ということでふと思い出したのは、私が受講した「英文精読ゼミ」の講義の中で、柴田先生が「英語は多義なので、訳すときは文の流れから訳を絞り込んでいくことが必要です。」と何度もおっしゃっていたことです。確かに、自分の訳文と先生のモデル訳を比べると、文章の感じが随分違うと感じることが多々ありました。よい日本語の文章に数多く接し、引き出しをたくさん持っておけるといいなと思います。この点、チャーチルも若い頃に歴史、哲学、政治など幅広い分野の読書に勤しんだようで、そのときの読書の蓄積が後の名演説を生み出したのでしょう。
 それともう一つ。私たちは常日頃から、文章を読み書きし、人と会話をします。そうしたときの言葉遣いの大切さということも改めて思います。私たちは言葉によって思考するので、状況にそぐわない言葉が頭の中に入ってくると、その言葉に反応して変な方向に議論が進んでしまうこともよくあります。正しい状況認識のためには、状況に合った適切な言葉を使うことが大事だし、うわべだけの言葉に引っ張られないよう用心することも必要ですね。
 チャーチルの映画に話を戻すと、今までは日本語の字幕を見ていましたが、これからは英語の字幕をしばらく見て、慣れたら字幕なしにチャレンジしてみるつもりです。よい言葉(セリフ)をなるべくたくさん覚えておきたいと思います。