野球の話題の続き 執筆者:プレーイングマネージャー

 以前のブログで触れた話題ですが、今年の6月にメジャーリーグ・アナハイムエンゼルスの大谷翔平投手の右肘に故障がみつかり、多血小板血漿注射(組織の再生効果があるとされる)などの治療をうけていました。その後も打者としては試合への出場を続けていましたが、3か月ぶりに9月3日に復帰登板を果たしたのちに、右肘に新たな腱損傷が見つかり先日チームドクターから靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を勧められていると報道されました。
 私自身6月にこの故障についての第一報が出たときに、将来的に手術になってしまうのではないかと危惧していましたが、悪い予感が当たってしまいました。そもそもプロで活躍するような投手はたいていは小中高とずっとエースで鳴らしており、勝敗のかかったぎりぎりの局面で全身全霊を込めた球をず~っと投げ込んできているわけです。今年の夏の甲子園は第100回記念大会であることもあり非常に盛り上がりましたが、中でも準優勝に輝いた金足農の吉田輝星投手は大活躍し、一躍時の人になりました。秋田県予選から甲子園決勝戦の途中でマウンドを降りるまで、彼一人で全11試合を投げぬいてきて、実に1517球も(!)放ったそうです。彼に限らず、一般的に高校時代から頭角を現している早熟なタイプの投手であれば皆同じように身体を酷使している(酷使させられているというほうが正しいでしょう)ため、プロ入り後の本格派投手としての本当の旬は10年程度と短く、最高のパフォーマンスができる期間が打者に比べて短いこともおわかりいただけると思います。甲子園で大活躍したもののプロ入り後故障で活躍できなかった投手は枚挙に暇がありません。日本人は「一人で投げぬいた」みたいな美談がとても好きなのですが、酷使によって才能の芽を高校生の段階で摘んではならないと思います。
 話は戻りますが、大谷選手が二刀流を続けるのならば、早めに手術したほうがよい、と自身も手術経験者である元巨人の桑田真澄氏も言っていましたので、おそらく今シーズンが終わったら手術に踏み切ることになるのでしょう。ですが、この二刀流を続けるのならば、という言葉に私は二刀流をやめて打者一本でいくのならば手術は必要ないというメッセージがこもっているようにも感じます。また桑田元投手は、同時並行の二刀流ではなく、先に10年投手をやってから後半10年打者専業をする二刀流もある、とも言っていました。確かに使う筋肉も異なるため、そのほうが身体への負担は少ないように思います。
 普通は投手専業ならば手術後1年しっかりリハビリにあててから復帰するところを、大谷選手はその1年間打者として出場を続けながら翌年以降に投手として復帰するという報道もありました。左打者なので故障している方の右肘にはあまり負担がかからないからという理由のようですが、にわかには信じ難い話です。再度故障しないように、フォームのチェックや修正など投手としてのリハビリ中にしなければならないことは山のようにあるはずですが、球界の至宝である大谷選手の将来を、球団幹部がどこまで考えてくれているのか、目先の成績や利益にとらわれていないかが心配です。大谷選手自身には、自分の商品価値をよく理解したうえで、周りの大人の意見に左右されずにときにはわがままも言って、できるだけ自身の選手生命が長くなるように頑張っていただきたいと思います。