名前? 執筆者:Penny(翻訳ジム修了生)

 先日、とあるアメリカのYouTuberが「Fanny pack(ファニーパック)という呼び方は、カッコよくないから、最近はwaist bag(ウエストバッグ)と呼ぶ」と言っているのを聞いて、違和感を覚えた。私の記憶では、そもそもファニーパックという言葉自体、初めて聞いてからまだ数年と経っていない気がするし、「ウエストバッグ」という呼び方のほうが懐かしい感じがすると思った。ああいったバッグは最近まで、ウエストポーチと呼ばれていて、ファッションとしてよりは、利便性の高さから使われていた。それが数年前からオシャレなアイテムとして再流行し、2018年の春夏ファッションショーでは、GucciやPradaなどのハイブランドからも登場している。ファッションの流行が繰り返すことは、もはや当たり前とも言えるけれど、ほとんど必ずといっていいほど、呼び名がガラッと変わるものだというのが、私の認識だった。でも少なくともネット上では、ファニーパックという名前よりも、ウエストポーチに近いウエストバッグの方が日本語として浸透しているようだ。
 ここでこんな話を出したのは、ああいったバッグの呼び方がファニーパックであるべきなのか、ウエストバッグであるべきなのか、はたまたウエストポーチであるべきなのか、そしてこのように呼び名が変わる場合、翻訳する時にどれをつかうべきなのか、考えたかったからではない。ただ、名前についてちょっと書いておきたいと思っただけだ。
 初めて語学学校に行った時、英語名を名乗るアジア人に出会って、それが自分で決めた名前だと知ってびっくりした。中にはクリスチャンネームや自分以外の人がつけた名前だと言う子もいたけれど、そうでない子の方が多かった。しかも10代の女の子がつけた名前なので、キラキラネームとまでは言わなくても、お菓子や果物の名前だったりと、ちょっと斜に構えたお年頃だった私からするとくすぐったさを覚えるとても可愛らしいものがよくあった。いくら「中国系の名前は、発音が難しくて、間違えば意味が全く変わってしまって、例えば相手にそんなつもりはなくても『犬』と呼ばれることもあるから」と説明されても内心納得できなかった。名前ってそんな簡単なもの?「名は体を表す」ということわざがあるくらい、重要なものじゃないの?と思っていた。中には、「飽きた」とか言って、数ヶ月おきに新しい名前担っているツワモノもいて、そこまで来ると慣れた頃にまた変えられる周りの気にもなってほしいと思いながらも、そこまでいくと、なかなか面白い気もした。
 名前と言えば、最近話題になっている映画『君の名前で僕を呼んで(Call Me By Your Name)』をまだ観ていないので、近いうちに観に行こうと思う。