括弧、かっこ、カッコばかり 執筆者:城野卯響子(翻訳校正者)

今月もこんにちは、リレーエッセイ第三週担当の翻訳校正者 城野卯響子です。今月からは「括弧類」をゆるく、ゆっくりと取り上げて行く予定です(が、脱線してしまったらごめんなさい)。

先月は『Pokémon GO』の日本リリースを今か今かとワクワクして待っていたのですが、私の持っているAndroidタブレットでは使えないことが分かり、まさに「無念千万」の限りでありました。我が家では常にスマホの新機種を使っている夫のみが、このAR(augmented reality:拡張現実)ゲームの恩恵に浴し、日々驚異的な歩数(※私と比べて)を達成しています。20世紀末の各種ゲーム機は生活を“不健康”にしがちでしたが、21世紀のARゲームには遊ぶ楽しさと“健康”を両立させてくれる可能性がありそうです。そんなことから「ガラケーはもうやめて、スマホに変えようかな…」と、思い悩む毎日です。

冒頭から下手な文章の羅列となり、申し訳ありません。上の文章には一般に和文で用いられる括弧類を使ってみました。このように普段、何気なく使っている和文の“括弧”たちですが、この括弧類には、会話や引用語句、作品名などを示す引用符としての機能を主とするものと、文中に注記・出典などを示す挿入符としての機能を主とするものがあります。

括弧類

引用符としての機能が主

「 」鉤括弧
『 』二重鉤括弧
《 》二重山括弧
“   ”二重引用符/ダブルクォーテーションマーク など

挿入符としての機能が主

( )丸括弧/パーレン
〔 〕亀甲
[ ]角括弧/ブラケット
【 】隅付き括弧
〈 〉山括弧 など

(参考:小学館『句読点、記号・符号活用辞典。』)

こうした括弧類の使い方については、個別では各学会の論文や各企業での文書のスタイルガイドに定められたものもありますが、一般的な「句読法」としては、英文のように定まったものはないようです。

参考として、昭和21年に時の文部省教科書局調査課国語調査室が「文部省で編集又は作成する各種の教科書や文書などの国語の表記法を統一し、その基準を示す」ため、『くぎり符号の使ひ方〔句読法〕(案)』が作成されました(未だに「案」のままなんですね)。その「まへがき」の中には「四、くぎり符号の適用は一種の修辞でもあるから、文の論理的なすぢみちを乱さない範囲内で自由に加減し、あるひはこの案を参考として更に他の符号を使ってもよい。なほ、読者の年齢や知識の程度に応じて、その適用について手心を加えるべきである。」と説明されています。これが「基準」となっているようですが、かなり“ふんわり”とした基準です。その中に出てくる括弧類の部分を抜粋したものが次表です。

かっこ

(出典:http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/sanko/pdf/kugiri.pdf
傍線は筆者による)

和文と英文の括弧類の違い―それが『くぎり符号の使ひ方』の、上の傍線部分になんとなくあらわれているようにも思います。次回は括弧類の中でももっとも和文と英文の「差」が大きい、【 】(隅付き括弧)を取り上げる予定です。

 

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